阿部暁子著「カフネ」の読み方と著者のwikiプロフ

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BSテレビ東京で毎週木曜日の夜10時から放送されている、読書好きの
タレント・鈴木保奈美がMCを務める読書エンターテインメント番組
あの本、読みました?」。

2024年10月24日(木)放送で、今、最も読まれ、注目されている
カフネ」の著者・阿部暁子さんがリモートで出演し、料理の鍵となる
物語を書くきっかけなどについて話されていました。

カフネ」という物語には、数々の料理が登場します。
当たり前に料理を食べる事って何なのだろう?

あまりにも当たり前すぎて、見過ごしがちな「食べる」ことに
フォーカスが当たっている小説は初めてですが、読んでいる
うちにいつのまにか、胸がじんわりと熱くなります。

阿部暁子さん著「カフネ」の読み方

引用元:講談社

最初に「カフネ」のあらすじを紹介しましょう

法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟 晴彦が急死して悲嘆に暮れていた。弟の遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が務める家事代行サービス「カフネ」を手伝うことに。
弟を亡くした薫子と、弟の元恋人せつな。
食べることを通じて2人の距離は縮まっていく。
作中には、せつなが派遣された家で、そこにある材料をうまく使って作る美味しそうな料理をはじめ、骨付き肉や激辛ペンネアラビアータなど特徴的な料理が登場。
引用元:講談社https://cafune.kodansha.co.jp/

この物語で薫子とせつなの関係が面白いです。
双方共に考え方や感性がお互いに相容れず、友人関係というカテゴリーには入り
ませんが、その時々において、薫子が、せつなが作った飲み物だったり、料理を
食べるシーンがあります。

薫子が「美味しい」と感じた途端に、身体中の細胞が息を吹き返し、
元気になっていく体験をします。

そんな体験を重ねていくうちに、2人の関係が縮まっていきます。
2人は「美味しいごはん」を一緒に食べるから、関係が成立しているんですね。

人と人との関係性は、家族、恋人、友人とか、いろいろなラベリングがあり、
どこかに当てはめようとする傾向があります。

この物語では、分かり合えない関係性と料理を対比させながら、
薫子とせつなのように、ラベリングができない関係でも
料理の「美味しい」を通じて「繋がること」ができると示しました。

「人はひとりでは生きられない」ので「美味しい」で繋がる事もあり、なのです。

阿部暁子さんは、「カフネ」を書くきっかけについて、次のように話されて
いました。

作家としてデビューしたものの、売れる作品が書けなくて、結果を出せない時が長く続いていたんですね。すごく焦りもあるし、自分にはもう才能はないかもしれないと、かなり沈んでいた時に母がハンバーグを食べに連れて行ってくれた事があり、悩んでいるときにゴハンなんか食べたくないと思っていましたが、
いざ、アツアツのハンバーグを食べたら、すごく美味しくて元気が出ちゃった
んですね。こんなに悩んでいるのに悔しいと思いながら、ハンバーグを完食。私、元気になっちゃってる、悔しいと思いました。
「美味しい」と感じる事は、こんなにもチカラがあるんだと思いました。

人間はどんなに打ちのめされている時でさえ、「美味しいゴハン」に出会うと、
心から「美味しい」と感じる瞬間があります。

「美味しい」と感じる事が人生の助けになったり、ある時は変わるきっかけに
なったりするんだという事が全編を通じて流れています。

本のタイトルであるカフネというのは、愛する人の髪にそっと指を入れる
しぐさを指すポルトガル語だそうです。
さりげない優しさが感じられ、本の内容にピッタリです。

心身ともに疲れた時に、ぜひ、手に取ってみてください。
心に寄り添ってくれる、温かいゴハンのような一冊です。

作中に出てくる料理のレシピも巻末についていますので、
「美味しい」をシェアできる方と一緒に作ってみては
いかがでしょうか。

お互いの「いのち」と「いのち」が響き合い、
一体感を共有できるかもしれません。

阿部暁子さんのwikiプロフィール

「あの本、読みました?」でリモート出演


阿部暁子
さんは1985年生まれ(39歳)。
岩手県出身、花巻市在住。岩手県立花巻北高等学校卒業。
大学名は明かされていませんが、北海道で大学時代を過された
ようです。プライベート情報は殆ど、見当たりません。

既婚。9月14日配信のYAHOOニュースのインタビューで結婚して
環境が変わった事や、不妊治療をしていた経験があり、「その時の
しんどい気持ちを『カフネ』の登場人物の薫子に考えて貰ったり、
せつなに言って貰ったりした」と語っています。

続いて、10月24日放送の「あの本、読みました」では、出産直後の
ため、リモート出演になったそうですから、無事に第一子出産を
果たされたようです。

2008年『屋上ボーイズ』で第17回ロマン大賞を受賞しデビュー。
『どこよりも遠い場所にいる君へ』はベストセラー。

2020年、車椅子テニスを題材にした『パラ・スター』二部作は
《本の雑誌》が選ぶ2020年度文庫ベスト10 第1位に選ばれました。

2024年『カフネ』で新境地を開拓。
5月に発売され、SNSなどで話題となり、約1カ月で重版決定。

カフネ』は第8回未来屋小説にノミネート!
2024年12月24日17:00頃、大賞発表予定!!

大賞間違いなし!心より期待しております!

 

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