石川鋳造は創業86年の老舗で、これまで鋳造ひとすじに技術を磨き続けて
きた鋳物メーカー。ところが、2017年にブランド名「おもいのフライパン」
を開発・発売し、大ヒットを飛ばしました。
その後も「おもい」シリーズとして、鉄板やいろいろな形の調理器具を開発し、
そのつど、メディアで取り上げられた効果もあり、認知度がさらに高まって
きました。
この商品を開発したのが、同社の4代目社長・石川鋼逸さん。
経営手腕として「自社ブランド作り、広告に頼らない宣伝方法、社員教育」等
への関心から、石川鋼逸さんへの講演依頼があとを絶たず、注目されています。
石川鋼逸さんの出身大学や年収、講演でどんなことを話されているのか、情報
を集めてみました。
石川鋼逸さんの出身大学は?
石川鋼逸さんの出身大学は中京大学です。
フィギュアスケート選手の宇野昌磨さんや浅田真央さん、読売ジャイアンツの山本一輝さんなど、有名なスポーツ選手を輩出しています。
幼少時から野球少年だった石川鋼逸さんは、碧南高等学校時代も野球部に所属し、
投手として甲子園出場への夢を全力で追いかけていました。
大学では準硬式野球で全国2位になり、部員の半数が甲子園出場経験がある
メンバーでした。
大学卒業後、父親から30歳までは好きなことをやって、それから会社を継いで
ほしいと言われたので、在学中に教員免許を取得し、母校の監督を7年間務めま
した。
石川鋼逸さんは野球に熱中した時期を振返り、「チームプレーである野球を通
して、皆で力を合わせて一つの目標に向かって、やり抜くことの大切さを選手と
して、監督として経験させてもらいました。
新製品の開発は、この経験がベースになっており、一生の財産です」と語って
います。
石川鋼逸さんの年収は?
鋳物業界の年収は、令和3年の全国平均は461万円(厚労省サイトより)。
企業別で異なりますが、450万円~800万円が相場のようです。
石川鋼逸さんの年収は明らかにされていませんが、2023年度10月の決算では
会社の売上げが10億円を達成しています。
石川鋼逸さんは「石川醸造で働きたい人を増やしたい」と語っていますので、
まず、社員の待遇を大幅に改善し、社長の年収は突出する程ではないのではと
予測します。
石川鋼逸さんへの講演依頼が殺到って本当?
石川鋼逸さんが語った言葉を拾い集めてみました。
・いいモノが必ず売れるとは限らない。
製造業はモノ作りの会社ですから、良いモノを造るのは当たり前にできます。
しかし、いいモノが必ず世の中で売れるということはないんですね。
ブランディングや情報発信をうまくやっていかないと、ヒット商品にはならな
いかと。伝え方が上手にできていない会社が多いような気がします。
・中小企業は「戦術」で挑む
リソースが豊富にある大手企業には勝てませんので、中小は「戦術」で挑むし
かありません。野球で培った経験が会社経営でも役に立ちました。
夢を追いかけること、やり抜くこと、そのために目標設定をしっかり立て、それ
に向けて何をするかを明確にしなければなりません。
・「やればできるは、魔法の言葉」
2008年にリーマンショックの影響で会社の売上が赤字転落、このままでは立ち行
かないので、社内に新商品開発のチームを新設しました。
途中で何度も挫折しそうになりました。10年間、大奮闘して「おもいのフライパ
ン」が完成した後は、売り方についても社員が議論を重ねました。
これまでは、職人たちがタバコを吸いながら仕事をするなど昔ながらの職人気質の
職場でしたが、開発のチームを新設したことで、工場の雰囲気がガラリと変わりま
した。
製造や営業、総務など部署の垣根を超えて、さまざまな商品アイデアが集ま
るようになったのです。
「おもいのフライパン」がブレイクスルーした商品になったことが、「やればでき
る」という社風につながりました。「やればできるは、魔法の言葉」です。
石川鋼逸さんの経営スタイルは、「自社ブランド作り」、「商品トレンドを追わな
い」、「広告を打たない」など、逆転の発想で製品の質で勝負するというシンプル
でありながらも、非常に戦略的です。
具体的には、独自のECサイトを開設し、YouTube等のSNSでもきめ細かい情報
発信に力を入れる一方で、フライパンのファンを集めてファンミーティングを
定期的に実施するなど、独自のブランディングが確立されています。
ピンチをチャンスに変えた4代目社長の石川鋼逸さん。
その経営手法を直接、拝聴したいものです。
いずれ、講演依頼が殺到するのではないでしょうか。
これまでの講演実績は東京商工会議所、浜松商工会議所、碧南商工会議所、
日本鋳造協会、東海地区大学野球連盟、日本経済新聞社主催LBSザ・フォーラム等。
※石川鋳造株式会社のHPを閲覧すると、講演依頼のニーズにも対応しています。
「おもいのフライパン」についての記事もご覧ください↓
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